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光から考えるライフスタイル

空風の家

敷地は、閑静な住宅地にあり矩形だが福岡市の開発許可制度における最低敷地規模ぎりぎりの165㎡で、ひな壇状のため建設用地が少なく、かつ、真西向きで細長いため日照条件が厳しく、さらに、高さ規制に気を使う第一種低層住居専用地域であった。これに対しては東西に細長いボリュームを北側に寄せて南側のスペースを確保し、また、2階の中央南側を部分的に凹ませて中庭を設けることで、南寄りで高度の低い冬季の日照を建物内に取り込み、吹き抜けの階段室から1階に落とす計画とした。また、東側のスペースをあけて冬の朝日を多く敷地内に取り込むため、擁壁と基礎を一体化して建物を西に寄せた。これはひな壇上手前側が弱かった土地に対して地盤改良を最小限にする効果も得られている。西面は遮熱の観点で壁を主体とし、切妻型の、住宅らしいシルエットでありながら、住宅街の中で、印象的な壁面になるよう図った。
2階に家族の集まるリビング・ダイニング・キッチンを配置して、中庭からの光を階段に導くことで、朝しっとりとした明るさと温度の1階で起床し、寝ぼけ眼で階段を登るときに、光に向かって家族のいる2階へ上がっていく。環境心理学的な観点でも、動作・温度・明るさによって気持ちが高まり、幸せな家族生活のイメージを空間に投影したいという思いから、この家を「空風(そらかぜ)の家」と名付けた。

Purpose / 住宅 Site / 福岡市中央区 Year / 2022 Photo / Y. Harigane

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